農業政策の峻別


写真:島根県浜田市弥栄町

Twitterより @masaru_kaneko

早く地域農業の新しいモデルを作らないと、本当に農業は死にます。ただ規模拡大して効率化すればいいという経済学者には農村を回ってほしいです。米国の平均耕作面積は180ha、日本は1.4ha。10haにしても無理。平均50~60haの欧州は日本の10倍もの戸別所得補償をもらっています。

金子勝のこのツイートにちょっと反応。

僕も同感で、規模拡大すればいいという話しは残念ながら通用しない。

以下、理由です。

  • 平地と中山間地

まず、条件が比較的良好な平地と条件不利地域である中山間地域との位置づけ、方向性を明確に差別化しないといけないと思ってます。
農業政策を峻別しなければ、平地で農地を集約できるからと言って中山間地域でもそれを適用させようというのはムリです。

中山間地域では農業の担い手が高齢化し、高齢農家も徐々に引退していっています。
そのおかげ?で、担い手の集約化は進んでいると言えますが、皮肉ですね。

また、中山間地域では農地は段々になっているところが多く、管理する人は集約できても、農地そのものは集約できません。*1
*2


具体的にイメージしてもらえるように示します。

中山間地域では70歳のおじいちゃんが、半径5〜6km以内程度の範囲に散在している農地5〜6haの農地をほぼ1人で管理している、という状況です。
その作業には、畦畔の草刈なども含まれます。

中山間地域の高齢農家はこんな感じです。
その背後には、同い年くらいで農業を引退し、まだ管理できる人に任せたおじいちゃんおばあちゃんがいるんです。

そんな状態の地域に「規模拡大すればいーじゃん」?


  • 小さな農地

この農地で大体70〜80a位だったと思います。これが段々でつながっているんです。
これを集約て。

*1:よほど金をかけて農地改良すれば別ですが、現状でそこまでコストをかけるのかという問題が発生します

*2:写真の地域はまだ比較的条件の良い集落です